本日2月17日(水)から22日(月)まで、那覇市の
リウボウホール(リウボウ7階)で「南大東島を描く」と題した、画家・永原達郎展が開催されます。
那覇市在住の画家・永原氏は、これまでにも世界各地を旅して描いた大作品を始め、沖縄県内の離島を旅し、島々を描いていることで知られています。
たとえば、宮古島や西表島、また昨年は久米島を描くなど話題を呼びました。
そして今年は、南大東島を題材に、2009年に島へ旅した時の感動から描いたという作品16点が展示されます。
しかも、すべて「波」を描いた作品ばかりだというのです。
注目の南大東島の作品展示を前に特別に完成作品を拝見しながら、「南大東島」「波」「描く」ことについて、お話を伺いました。
——どれもが大作、大きな作品で迫力がありますね。サイズでいいますと、どういう大きさになりますか?
永原氏:作品は30号と60号と100号の大きさです。私はもともとわりと大きいサイズで描くことが多いのです。中でも100号というのは私が好きなサイズで、自分では描きやすい大きさでもあります。
南大東島に行って見て、描きたいと感じたのは「波」だとすぐに決まりました。そしてその波を描き表現するのに、こうした大きいサイズになりました。
——いつごろ南大東島へ行かれたのですか?
永原氏:2009年2月でした。わずか2泊3日の旅でした.南大東島は初めてで、まずは島を1周巡りましたが、海で大きな波を見た時に、とても感動しました。そしてすぐに、「この島で描くものは波だ」と感じたのです。
毎回、どの島でも描くと決めると、その場所の写真も撮ります。南大東島島でもたくさんの波の写真を撮りました。そしてそのあとは波の景色をいろいろみようと、時間や場所を変えて島をぐるりと巡り、波の数々を見つめていました。
その時は「波」ばかりを描くとは思わずに出かけた旅でしたが、作品には「波」ばかりが生まれてきました。
——南大東島の人達がよく島自慢に取り上げるのが「波」なのだそうです。大きい波はさらに島人の自慢なのですが、画家としてもやはり「波」に魅了されたのですね?
永原氏:そうですね、捉えられたというところでしょうか。描いていくと、結果として波ばかりになりましたから(苦笑)。面白いものです。
でも、波といってもそれぞれに違いがあります。場所や時間によっても波の表情も違いましたので、見ていて、それも面白かったのです。
また沖縄というと、珊瑚礁の海という、どちらかといえば穏やかな海が広く一般的で普通なのですが、この南大東島は島の海岸の造りが違う。断崖があり、岩に打ちつける太平洋の海は荒く強い波で、その力強さにとても感動しました。
——全16作品は、どれくらいの期間で描かれたのですか?
永原氏:約10カ月くらいで完成しました。気分がのっているときは、1枚の絵はだいたい18時間くらいで描いていますが、時には考えて止まり、また描くということを繰り返したこともありました。
——南大東島ならではの波のパワーを感じる絵の数々ですが、2枚で1組という作品もあるのですね?
永原氏:これは、この島の波の横の広がりを感じて欲しくてね。1枚では描き出せないスケールの大きさを感じて欲しいと、2枚で1つの波の作品に描きました。
——波をじーっと見ている時は、どんなお気持だったのですか?
永原氏:波を見ているとわかるんですよね。1つの波にある運動のリズムや、波の形が見えてくる。そして絵になる時の波のことがわかるのです。表情をつかむというのかな。島でもずっと波を見ていました。飽きませんでしたよ。
——この絵から感じる波の迫力、島の波の生命感は、やはり会場で実際に見ていただきたいですね。みなさん、たぶんかなり驚かれることでしょうね。
永原氏:ひとりでも多くの方に御来場いただき、実際の絵を見て南大東島の波の魅力を感じてもらいたいです。
——では、最後に今後描いてみたい島をあげるとしたら?
永原氏:伊是名島と伊平屋島にまだ行っていないので、機会があればぜひにと考えています。
■画家・永原達郎プロフィール:
1935年生まれ。東京出身
1998年に沖縄へ移住。
1999年県展 美術部門 県知事賞
2001年沖縄タイムス芸術選賞奨励賞
■「永原達郎展 南大東島を描く」
会期:2月17日(水)—22日(月)
AM10:30-PM7:30(最終日PM6:30まで)
会場:リウボウホール(リウボウ7階)
http://ryubo.jp/
住所:那覇市久茂地1-1-1
電話:098-867-1171