エコ・イルミネーション『130万県民平和の光』(糸満市)

ryuQ編集室

2009年01月07日 09:00


昨年12/19から新年明けて1/3まで、16日間に渡って行われた『第10回いとまんピースフルイルミネーション』。南部のイルミネーション・スポットとしても定着し、大晦日の年越しイベントにはたくさんの人々が訪れています。

昨年度は『ディスプレイデザイン協会特別賞2008』を受賞したピースフルイルミネーションの今年のテーマは「Blue Planet 〜青い地球〜」。

会場となった糸満観光農園(糸満市摩文仁)には大きな風車があり、その風力発電によるエコロジーなイルミネーションという特徴があります。

そして糸満の摩文仁の地といえば、今から64年前に歴史を遡ると、沖縄戦の終焉の地でもあります。糸満のピースフルイルミネーションは“130万県民平和の光”と題して、“平和への祈り”をイルミネーションに映し、21世紀を担う子供達へ、光輝く美しさの感動を通して平和の尊さを伝えていきたい、という想いがあるといいます。

3日に行われた消灯式では、糸満市の上原裕常市長はこのように結びました。
「私たちがいるこの摩文仁の地には、多くの悲しみが染みこんでいます。
今から64年前、私たちの住むこの島に、激しい鉄の暴風雨が吹き荒れ、ふるさとは焦土となりました。凄まじい爆音が響き渡り、この地は凄まじい戦闘を経験してました。
悲しい歴史が刻まれたこの地は、1日も早く、この地球上から争いが消えることを、また、利害や宗教、人種の壁を越え、人類が平和で穏やかな生活が送れることを最も望む場所であります。
本日、『第10回いとまんピースフルイルミネーション』は消灯しますが、期間中はオブジェが伝える平和への想いは、世界で起こる悲しい争いに終演がもたらされるよう、駆けめぐっているものと思います。
宇宙に燦然と輝く星たちの中、奇跡の星といわれるこの地球に生きる者として、人類が幸せで満たされ、永遠に平和であることを望んで止みません。
最後に、このイルミネーションのもと、新しい年の決意を心に誓い、それぞれの目標に向かってこの1年を精一杯、頑張って生きましょう。
新しい年が皆様にとって、幸せに満ちた1年であります事を祈念いたします。」

消灯式の舞台では、歌手の中西礼奈さんが歌ったあと、オペラ歌手の金城久美子さんが、
「天と地と皆様方と、地球と宇宙とひとつになる歌を、即興で歌わせて頂きます。」と、クリスタルボールの音と舞踏家の踊りをバックに、即興で歌をアカペラで披露。

そして全員で『すべての人の心に花を』(喜納昌吉&チャンプルーズ)を歌い、最後に市長も一緒に手をつないで円を囲み、平和をここから発信したいという想いを持ってアースジャンプというアクションを起こしたあと、イルミネーションは静かに消灯しました。
イルミネーションの光は消えても、希望の光はいつまでも灯り続けますように。
(文+写真: KUWA)

関連記事