「かりゆしウエア」新時代に取り組む革命企業

ryuQ編集室

2008年12月26日 09:00


来年(2009年)のかりゆしウエア・シーズンインを前に、ファッション界といえば常に時代の先読みが注目されますが、“かりゆしウエア”のこれからはどんな時代が来るのでしょうか?

沖縄からクールビズウエアの特徴を活かして、全国・世界へも愛用者を広めようとPRも盛んな“かりゆしウエア”は、最近ではビジネス用、ユニフォーム、リゾート向け、冠婚葬祭用など用途別の工夫されたデザインや、男女の特徴を活かしたスタイル、色柄にも工夫が広がり、デザイナーズブランドまで登場するなど、豊富な品数が並ぶようになりました。また、沖縄特色を活かしたシャツ“かりゆしウエア”は、旅行記念にお土産にも買い求めるという方も増えてきました。

今回ご紹介するのは、かりゆしウエアの新ブランド・Kukuruを立ち上げ、かりゆしウエア界に新風を起こしたと今最も注目されている『(株)フジタカクリエイション』(沖縄市)。

4年余りの準備・試作を経て新時代を告げるべく、最先端機械・インクジェットプリントシステム『ナッセンジャーV』を導入し、すべての工程(素材選定、生地の品質、デザイン、プリント、縫製まで)を自社内で一貫する制作作業を確立し、話題を呼んでいます。

オリジナルのTシャツやスカーフ、バッグなど、こだわりのオリジナル企画商品を制作し、お土産品店などを中心にした商品販売でも知られる同社です。
(株)フジタカクリエイション・高里社長にお話を伺ってきました。

——かりゆしウエアに最先端の機械技術を投入されたそうですね。

高里:これまで、県内の会社では、かりゆしウエアづくりは外部発注される作業工程が多く、商品になるまでの工程を同企業内で生地プリントから縫製まで一貫して行えるところはありませんでした。しかし、分業で外部発注で制作することは負担も制約も大きくなるので、自社で全てを完成させたいと長年考えておりました。そこで最先端のインクジェットナッセンジャーVという機械を導入し4年余りの試行も繰り返し、ようやくこの夏よりGOサインを出し、本格稼働となったところです。この機械では、かりゆしウエアだけでなく当社の製品に使用する布プリントにも使用しています。

——県内初の革新的な機械導入、合わせて自社ブランドkukuruも立ち上がり、かりゆしウエアづくりで、これから目指すものは?

高里:自社工程で一貫した作業で制作出来るので、生地となる糸選定から厳選しています。男女とも、主に30代・40代をターゲットしたかりゆしウエア制作に力を入れ、ビジネス用だけでなく、休日用にも喜ばれるものなど、かりゆしウエアというイメージを広げて、もっと全体的にイメージアップした商品も作っていこうとHPでのPR、通販、カタログも制作中です。

また自社で仕上げまで全てを作れることで、細部の工夫もオリジナルで開発にも取り組みます。たとえば襟ぐりのデザインやカットなど他社には無い工夫が出来ます。当社には自社専任のデザイナーが4名おります。このことも大変大きな力となっておりまして、若い4名の感性を発揮し合い、より自社ブランドの魅力アップへとなっております。

プリントする機械が最先端で効率が図れること、さらに約30ほどある生地制作の下準備となるノリ付けの工程でも生地に合ったノリの配合や、また生地に必要な処理作業である高温度での蒸気蒸しなどの工夫、染料や元ノリを落としたり、色止めなどでの生地の洗濯、生地のセットまで、さまざまな微調整も自社ならではのオリジナルな技術を取り入れてこだわって仕上げています。

自社だからこそ細やかな気配までも一貫して出来ることがやりがいです。かりゆしウエアの未来はもっともっと工夫出来ます。かっこいいかりゆしウエアになり、お客様の魅力を活かせる素敵なかりゆしウエアが作り出せます。

インクジェットプリント機械を活用し、高品質で細部にまでこだわりにこだわり、オリジナルのかりゆしウエアを作り、お客様に喜んで頂けるようにいろんなアイデアを工夫していきたいと考えています。

——こちらにたくさんあるかりゆしウエアは新作でしょうか?

高里:これは来シーズンに向けてサンプル段階のものです。1枚1枚すべて違う色柄、デザイン、男女用あります。社長の私自身も実際に何着も着て、着心地や細部の縫製・印象も検討してみて、それからようやくどれを商品にするかまで検討していますので、こちらのものが商品になるとはまだわかりませんが、これからいろいろな新作が出てくる事でしょう。

——他では見ないようなデザインや色が印象的ですね。

高里:かりゆしウエアというと、なんとなく決まったイメージになりがちですが、もっとこれからは新しい魅力を出していくべきです。今年沖縄市の全島エイサーまつりをPRする限定販売の特製エイサー柄のかりゆしウエアがあったのをご存知ですか? 沖縄市の東門市長やりんけんさんも着用してくださったのですが、実はあのかりゆしウエアは当社で作りました。

この最先端の機械でプリントして縫製まで一貫した作業で仕上げたものです。そんな風に、限定した会社のユニフォームのオリジナルやイベントの特製かりゆしウエアなど、クリエイティブにこらからはもっと遊び心もおしゃれ心も活かして、オリジナルかりゆしウエアの魅力をPR出来るよう、喜ばれる商品を制作したいと思います。

独自の技術で、かりゆしウエアに新風を起こす(株)フジタカクリエイション。
自社製品のTシャツや小物バッグなどと共に、今後はデザインも豊富に取り揃え、那覇のショップ『TINGARA』でも販売になります。

株式会社フジタカクリエイション
 かりゆしウエア・オリジナルブランド『kukuru』HP&通販
 http://www.kukuru-okinawa.com/
 住所: 沖縄県沖縄市与儀377-1
 TEL: 098-982-2323
 FAX: 098-982-2626

(文+写真: 吉澤直美、編集: KUWA)

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