「海虹ストラップ」(前編)

ryuQ編集室

2008年02月12日 09:00


沖縄の青い海や青い空にはえる美しい赤瓦屋根。
沖縄では、戦前からこの赤瓦の生産地といえば与那原町(よなばるちょう)が有名です。

世界遺産としても親しまれる首里城は、この与那原町の赤瓦で復元されました。

赤瓦の良さは近年あらためて見直されるようになり人気がありますが、台風などの風にも強く、漆喰を使うのが特徴です。

その赤瓦の生産地与那原町だからこそ、赤瓦と切り離せない漆喰も、もっと活用して地域イメージUPにつなげたい、そして漆喰のおおもとであるサンゴのことにもっと目を向けて海や自然も大事にしてもらいたい。そんな願いを込めた漆喰を素材にした新商品「海虹ストラップ」が登場しました!

虹と太陽神が描かれた漆喰素材のストラップは、すべて1つ1つが手作り。

1つのお店での販売のみにもかかわらず、発売からわずか3カ月ながら〜癒し、美ら運〜海虹ストラップは、すでに100個余りが売れたというその秘密は何だろう?!

気になるストラップの取材に与那原町の「がびん工房」に行ってきました。

漆喰ストラップを作っているのは「がびん工房」
与那原町の国道331号沿いにあるフラワーショップみやびの中にありました。

店内にはたくさんの花に負けないぐらいカラフルな漆喰で作られたシーサーや石敢頭などいろいろな種類の「がびん工房」のてづくり商品が並び、明るい色使いで楽しいいムードがいっぱい。注目のストラップもありました!

ちょうどストラップの製作中の様子、声をかけると、フラワーショップみやびの社長さんである伊是名雅敏さんが笑顔で迎えてくれました。

聞けばこのストラップは社長の伊是名さんのアイデアで店員の内間政光さんと2人でこのフラワーショップの一角で「がびん工房」の商品として手作りしているのだそう。

——ストラップを作るきっかけはなんだったのでしょうか?

伊是名雅敏:与那原町は赤瓦産地として有名でしょう。赤瓦といえば漆喰がつきものですが、でもなぜかー与那原で漆喰を使った商品でこれだというのがなかなかないなーと思っていたんです。

それに与那原の海は最近はとにかく開発も進んでいまして、海の環境のことなど日頃からいろいろ考えていたんです。釣り好きですので、よく近くで海釣りもしてるんですが、ある日釣りをしようと海辺で準備していたら突然大雨になって、そのままやむまでまっていたら、やっと雨がやんだなーとぼーと空と海をみると、なんといきなり巨大な虹の柱がまさに海から生まれ出て空に伸びてどんどん大きくなり自分のほうへ近づいてくるんです。
あまりにすごい虹の誕生をみましてねー神秘的な姿にとても驚き感動しました。
そのときでした。以前からさまざまに考えていたことが、虹の誕生を目の当たりにして虹のオーラを浴びたというのかなーそれがあって、形になったーのがストラップなんです

——ストラップの名前に「海虹ストラップ」とついているのもその出来事がきっかけなんですね。模様や絵柄も虹のような配色がされていますね?

伊是名:そうです。虹色を描いています。ところで虹は何色かわかりますか?

たいがいの人は7色といいますが、本当に7色みたことがある人はいるでしょうか?

実は人間の目には5色程度しかみえないそうですよ。
また沖縄では一説には3色しかみえないという話もあるぐらいで、虹色について調べると不思議な話がいろいろあるんですよ。

——それでこのストラップの虹の色も3色と5色の2種類なんですね。

伊是名:漆喰を小さく丸めて乾かしてから絵や虹を描きます。
花屋でもありますから、もともと色の効用や良い色使いも勉強しています。
色にはすべていろんな効果があるので、ストラップには幸運や癒しとなる配色を虹色から選んで描いています。

そして与那原の漆喰を使うことで与那原町のさらなる特産品として町のPRにつなげたいということと、漆喰は石灰=サンゴからできていますので、海への想い、自然環境への思いやりにつなげてもらえればという願いをこめました。ちょっとしたことが気づきになって、海や自然を大事にしてもらえればという願いなんです。

——太陽神も描いてあるんですね。

伊是名:古代エジプト文明のピラミッドやローマ・ギリシア文明の建物等が石灰(一種の漆喰)でつくられているのをご存知ですか。ほかにもマヤ遺跡、万里の長城などほとんど漆喰が使われて、できているんです。
石灰(漆喰)は世界の文明とともに、シルクロードから沖縄へもつながっているんです。エジプトで非常に重要だった太陽神の存在、それは沖縄でも太陽をとても大事にする存在とも同じ思いでしょう。いろんなそのつながりを太陽神の印を描くことで世界がつながっていること、太陽神の下にあることを表わしました。

伊是名さんはこのほかにも漆喰でアイデアいっぱいの商品をつくり次々ヒットさせています。アイデアの源はなんだろう?

後編では伊是名さんが考える与那原町への熱い想い、これからの町おこしへの想いなども紹介します。


(文+撮影: 吉澤直美、編集: KUWA)

※がびん工房から「海虹ストラップ」を3名様に。
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