Coccoドキュメンタリー映画『大丈夫であるように』
孤高のシンガー・Cocco。彼女のドキュメンタリーを映画監督の是枝裕和が撮ることになったきっかけは、'07年7月7日に“地球を救おう”をテーマにした世界規模イベント『ライブ・アース』(提唱者は環境ドキュメンタリー映画『不都合な真実』のアル・ゴア元米副大統領/世界7大陸で150人ものトップアーティストが参加した)で、
Coccoが辺野古に帰ってきたジュゴンの親子ことを語り、歌った姿に、心打たれたことがきっかけだったという。
ドキュメンタリー映画は、Coccoの歌の旅。アルバム『きらきら』の全国ツアーのこと。そしてそれは舞台裏よりもさらに背景まで追い続けた。そこに密着していくことになった是枝監督は、カメラを回しながら何度も泣いたという。だからか、カメラが時折ぶれる。徹底して最初から最後までカメラを固定せず手持ちで撮影した映像は、生々しく、心を揺さぶった。
彼女のふるさと沖縄には日本にある米軍基地の7割があるけど、そのような現実が青森の六ヶ所村にもあることを、1通のファンレターを通して知る現実にはじまるこの歌の旅。沖縄から、核処理施設がある青森、阪神大震災の被災地の神戸、原爆被爆地の広島などを巡る。
その旅の途中にもまた新しい歌が生まれる。「歌は生まれるけど、その時、歌はまだ誰のものではない、それをみんなの前で歌うことでようやく“共有”できる」と彼女は言う。
神戸で生まれた歌『バイバイパンプキン』、Coccoは語る「言いたいことは一つ。生きろ、生きろ、生きろ」。
辺野古のジュゴンを歌った『ジュゴンの見える丘』では、「悲しみはいらない、やさしい歌だけでいい」と歌うのは、ジュゴンやひめゆり学徒隊のおばぁちゃんたちに“二度と悲しまないように”と祈るように想いを寄せたもの。
そんなCoccoのいくつもの想いが、映画のスクリーンを通してじわっと伝わってくる。
「沖縄からもらった大事なものを一生かけてでも返せるか分からないけど、
歌で何か変えられるか分からないけど、
それでも愛しているよ、沖縄」(Cocco)
■映画
『大丈夫であるように 〜Cocco 終わらない旅〜』(→公式サイト)
2008年/日本/107分/ブルーレイ/ビスタ/ステレオ/カラー
監督:是枝裕和
出演:Cocco/長田進/大村達身/高桑圭/椎野恭一/堀江博久
※沖縄上映は
桜坂劇場で2/6(金)まで公開中
(→詳細はこちら)
※映画公開記念Tシャツも
桜坂劇場で限定発売中!
(文: KUWA、取材協力: 桜坂劇場)
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