第3話『天を衝く!』(南島詩人・平田大一)
〜沖縄の過去と未来について考えるとき、僕はシマと対話する。シマとは、僕にとって老賢者のような存在〜
南島詩人・演出家として活躍する平田大一。県内外を縦横無尽に走り抜け、骨太な活動を続ける日々の中で、思索の森を歩き、刻む、真実の言葉たち。
『シマとの対話』第3話(毎週水曜日更新)
島に立つ勢い
その先(そら)
天を衝け
海に根付くマングローブを見ると
その生命力の力強さに感嘆する。
海水と淡水の異なる水が混ざり合うからこそ強いのか。
異なるモノ同士との鬩(せめ)ぎ合い。
新たな「命」が生まれる瞬間はこういう
厳しい環境の中であったりすると思う。
そして僕は、こういう「小さな命」の伸びようとする勢いに
最も「生命力」を感じる。
島でまだ暮らしていた頃、僕は毎日のように浜におりては
力強い「命」の息吹をよく見に行った。
「旅する種」とも呼ばれているマングローブの奇跡を
体に刻み込むかのように僕はその「命」の前で
大きく深呼吸をしていた。
そしてマングローブの見える海の向こうにはいつも、
大きな西表島の山々が見えた。
答えはいつも「島の中」にある。
全ての答えがこの島にあった。
サトウキビ畑に吹く風の中に
夜空に咲く花のような星々の輝きに
天に向かって海に立つ小さな命の勢いに
僕は自問自答の答えをいつも見つけていたんだ。
「前略 南(ぱい)ぬシマジマ
校門無き学びの場
僕らがいつも立つところ」
南島詩人 平田大一
●
Profile:
平田大一(ひらた・だいいち)
南島詩人・演出家・那覇市芸術監督
1968年11月7日沖縄県竹富町小浜(こはま)島生まれ。
進学先の東京で、アートユニット「I・N・U」に参加、自作の詩を朗読する舞台活動を開始。卒業後は生まれ島「小浜」に戻り、アーティストへの楽曲・詩の提供、実家の民宿を拠点に「キビ刈り援農塾」をスタートさせるなど、地域と文化に根ざした幅広い活動を行う。
2000年から与勝地域の子供達による現代版組踊『肝高の阿麻和利』の演出、脚本を手がける。
2005年3月に勝連町・きむたかホール館長を卒業、4月11日に有限責任中間法人TAO Factoryを立ち上げ、代表理事に就任。同年、那覇市芸術監督に就任。
うるま市、浦添市、八重山、金武町、那覇市、5つの地域の子供たちのための舞台を手がけるほか、毎年、新作舞台を精力的に制作。沖縄県内はもとより、県外、国外にも支持者を増やしている。
代表作に現代版組踊『肝高の阿麻和利』、現代版組踊『大航海レキオス』など多数。著書は詩集『南島詩人』、『歩く詩人』(冨多喜創)。
・平田大一ブログ『シマとの対話』:
http://hiratadaiichi.ti-da.net/
●
バックナンバー:
第1話『始まりの詩』
http://ryuqspecial.ti-da.net/e1820727.html
第2話『珊瑚の杜に月の舟』
http://ryuqspecial.ti-da.net/e1831135.html
第3話『天を衝く!』
http://ryuqspecial.ti-da.net/e1841074.html
≪
平田大一トークライブ Vol.1『南島詩人の世界』〜南人、シマをうたう〜≫
日時:11月25日(日) 開演・午後7時30分
場所:舞台と地料理ライラ(国際通りスターバックス地下/098-941-5003)
入場料:3,500円(「ライラ」特製お食事コース付 )
演出・脚本・出演:平田大一(『シマとの対話』写真スライド予定)
予約:有限責任中間法人TAO Factory(098-860-6507)
予約受付時間…午前9時30分〜午後5時30分(月〜日)
→予約メールはこちら
→
そして、沖縄の人気blogランキングはこちら
関連記事