ryuQ100歌[2月号]は『♪沖縄演歌特集』

ryuQ編集室

2008年02月11日 09:00


今回は、沖縄演歌をテーマにしたレコードを3点あげてみました。

「海洋博ユンタ」三橋美智也 「オキちゃんマーチ」今陽子
 キングレコード K-108

 沖縄の演歌人口は多い。私の母など沖縄島唄はほとんど聞かないが、演歌、得に三笠優子のファンで、私に対して「お前は若いのに民謡なんか聞いてどうするのか」といつもたしなめていた。演歌のカラオケ教室は結構繁盛しているようだし、レコード会社の専属演歌歌手のメシのタネには困らないようだ。沖縄出身の演歌歌手も他府県と比べると人口密度からすると上位にランクされるのではないかと思う。昭和40年代後半、すなわち日本復帰から海洋博にかけて沖縄県内において沖縄音楽が盛んになった。民謡はもちろんのこと、沖縄を題材にした演歌も盛んに歌われ、沖縄出身の演歌歌手が多数現れ沢山のレコードが出回った。もちろん中央の歌手も沖縄をテーマにした歌を歌った。美空ひばり、島倉千代子などの有名どころも競って歌ったりした。

 ここに紹介する「海洋博ユンタ/オキちゃんマーチ」はA面に三橋美智也歌う、海洋博(作詞・横井弘作曲・遠藤実)B面に今陽子歌う、オキちゃん(作詞・あさひな知彦作曲・小林亜星)と当時とすれば相当な売れ筋路線だ。オキちゃんマーチは海洋博のいるかのオキちゃんショーのときに流れてよく耳にした覚えがある。

「糸満浜育ち」歌・山内たけし
 ビクターレコード TES-1002

 故嘉手苅林昌らとならぶ戦後民謡歌手の巨人の一人である山内昌徳の二代目・山内たけしは鳴り物入りで演歌界にデビューした。今風に言うとイケメンでスタイルがよく、声も良ければ二代目サラブレッドというところだ。マルタカレコードも結構力を入れていた。時代は沖縄島唄も沖縄演歌も受け入れる素地はなかったようだ。ともあれ「糸満浜育ち」今聞いてもかつてラジオから流れた懐かしさがこみ上げてくるのはなぜだろう。

「沖縄天国」歌・南株間(ナン スーチェン)
 ミノルフォンレコード PR-172

 先日、我が島唄カフェいーやーぐゎーにて、城間ヨシ・バースデーライブ「トーカチに歌う」というライブを催した。88歳のヨシさんの歌声には聴いているお客全員がひれ伏すほど歌えば歌うごとに力強くなっていった。三度のご飯より歌うことがすきで歌こそが若さの秘訣という彼女の言葉には説得力があった。

 南株間歌う「沖縄天国」、1984年のプレスというが彼に関する素性などの情報は私は持っていない。しかしこの歌は一度皆さんに聞かせたいと思うレコードの一つである。歌詞を少し紹介しよう。
 ♪めんそーれと鳴く こおろぎ横丁 待っていたわと 松山横丁
  若さにまかせて 若さの通り 年貢納めは 高砂殿
曲もなかなかなものですぞ!

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筆者プロフィール:小浜 司(こはま つかさ)
沖縄県国頭郡本部町出身。幼少期を那覇市で過ごし、中学以降宜野湾市に遊ぶ。大学卒業後ヤマトへ。季節工などの底辺労働に従事しながら、アメリカ、東南アジア、中国、アラブの国々を旅する。沖縄に帰り、クリーニング屋の経営をしながら大城美佐子や嘉手苅林昌のリサイタルなどをプロデュース。「風狂歌人」(嘉手苅林昌)や「絹糸声」(大城美佐子)など沖縄音楽CDを多数製作。2002年、国際通りに島唄カフェまるみかなーを開く。2004年沖縄音楽デジタル販売協同組合に参画しインターネット三線教室を始める。2006年、拠点を壺宮通り(那覇市寄宮)移し、島唄カフェいーやーぐゎーを開店。沖縄音楽の音源や映像の楽しめる店として好評を博している。
島唄カフェいーやーぐゎーHPhttp://www.ryucom.ne.jp/users/iyagwa/

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