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県内外で人気上昇中の上間綾乃。待望の新譜を8/2にリリースしたばかりの彼女にスペシャル・インタビュー。昨日公開されたインタビュー【前編】に引き続き、古謝美佐子さんとの共演エピソードなど、今作品の核心部分に触れていくことに。

——「旅路」という曲では、古謝美佐子さんが参加していますね！

上間綾乃：この楽曲をどういう雰囲気にしようかと考えていた時、明るい曲調だけど三板じゃないし…いろいろ考えていた時に、語りを入れたらどうかと。他の曲にも語りは入ってないし…じゃあ誰がいいかなと思い浮かんだのが古謝美佐子さんでした。それで美佐子さんに電話をしたら「いいよ〜」って。

沖縄そば屋で「こんな歌です」って歌詞を伝えたら、方言もチェックしてくれて、そして語りの部分は考えてあったんですけれど、この語りの部分を紙に書いてくれたんです。言葉に言魂があるように古謝さんの文字にも雰囲気と魂があるし、この紙がありがたくて、このままスキャンして使わせてもらいました。
「読めないからね〜書いておこうね〜」と言って振り仮名も書いてくれました。

——直筆の語りが歌詞カードに書いてあるんですね。語りの役割と歌の意味は？

上間綾乃：語りの部分は、歌の歌詞が本編としたら語りの部分は「これからこんなお話しするからね〜」という意味なんです。
「旅路」は自分磨きをしようという魂を見送る旅の歌なんですが、最後に「我んや女強さんど　心配んすなよーや」は「私は強いから大丈夫だから心配すんなー」って言ってます。

——何の宣言!?

上間綾乃：いえいえ。「上間綾乃、何かあったのかなー」と思っても何にも無いですよ。単なる言葉遊びですから(笑)。

そしてどうしても三節(三番)までしか作れなかったという「たより」(７曲目)。
こちら、タイトルは標準語だが歌詞は方言という珍しい形になった。理由を聞くと…。

上間綾乃：まずタイトルなんですが、漢字で「便り」と書いて方言で読むと「たゆい」。でも漢字で書いて分からない人には「便い」で「べんい」になっちゃうじゃないですか(笑)。なのでタイトルは標準語のひらがな、歌詞は方言になったんです。

そしてこの歌は、もう１曲「夢しじく」みたいな優しい曲調のものが欲しくて、
温めていたものを完成させました。昔の出来事が月日を重ねてやっとわかることを書いたんですが、「みぐてぃみぐる沙汰匂いぬ　匂いぬふきてぃ」っていうのは、想いが巡り巡って風の噂にのって辿り着いた知らせで、あぁ私の事を思っていたんだ…という広がってゆく様子。“ふきてぃ”というのは、例えば三線の音がどこまでも“響き渡ること”を“ふきてぃ”と言って、これはおじぃちゃんが教えてくれました。

——ラスト曲の「また明日」(８曲目)ではアコーディオンが使われて、ぐっと明るい曲調になっていますね。

上間綾乃：三線でカチャーシーというの曲でもないかなと思って、アコーディオンを入れてもらいました。これは沖縄の春夏秋冬をイメージした歌なんです。
実はとっても歌詞に苦労して沖縄の四季って何だ!? と沢山調べて。夏はとても多いんですけど、沖縄にも冬があって、でも縮こまる感じにはしたくないし、だけど寒さって伝わるかなぁ、とか考えて書いた歌ですね。

“浜下り”という旧暦のひな祭りに行われる春の行事、太鼓の音を追いかけて行く情景と青年たちの勇ましいエイサーが行われる夏。そして秋の月夜は三線やお祭りでウキウキとつい踊りだしたくなる良い季節、最後に沖縄の冬である１月には咲く桜の花をまとめ、四季の構成となっている。

最近は関西テレビの「ノッテ・フェリーチェ」にレギュラー出演中のため大阪へ出かけたり、またその縁で関西でもライブが出来るようになったりと沖縄県内にとどまらず忙しく動いている。もちろん定期的なライブステージやまた夏には地元・天願エイサーの地謡としても活躍。そのために夏の季節は日々の練習もかかせない。
ちなみに現在、那覇のFavoriteCafeは週数回だけお手伝い。だけどライブをしない時でも人に会えるので、出会いの場・繋がりのある場所として楽しいとの事。

そして「唄三線とは？ 音楽とは？」という問いにこんな答えが。

上間綾乃：「唄三線とは？」一番初めは、おばぁちゃんの影響。ただただ好きなだけでやってきて今はいろんなところで歌わせてもらって…なんだろう、生活の一部ですね。
例えば何かあるとすぐ口ずさんでいるんですよ。そこにアダンがあるとすると、勝手に「ア〜ダ〜ン〜の葉音〜〜♪」とか子供の頃から一人でも、人の前でも(笑)、大学が内地の子が沢山いたから｢あれ何？｣と言われたら、ただ教えるのは面白くないから、そうやって教えてたり。前は勝手に居酒屋に三線持ち込んで歌ったり、ね(笑)。

「音楽とは？」これは誰かと繋がっていく。共有できること。
その場に居ても居なくても誰かと繋がっていけるもの。今は沢山の『まじゅん』。CDケースを目の前にして「このCDはどこに行くんだろう。このCDから流れた音を聞いてくれた人はどんな思いで聞いてくれるんだろう。お前達はどこへ行くのか？」って思っています！

——最後にファンの方へ

上間綾乃：本当は去年(2008年)リリースするつもりでお待たせしてしまいましたが、それだけ時間をかけて丁寧に作ったので、一緒に『まじゅん』を聴いて歩いていきましょう。
（→上間綾乃インタビュー【前編】はコチラ）

10月24日のレコ発ライブも楽しみですが、９月６日には『太陽風オーケストラPRESENT'S Vol.1コラボレーション2009』として“邂逅引力(引き付けあうめぐりあい)”というライブにも出演決定！

★『太陽風オーケストラPRESENT'S Vol.1コラボレーション2009』
邂逅引力(引き付けあうめぐりあい)KAIKOU INRYOKU
ARIA ASIAと上間綾乃とのコラボレーション!!
2009年９月６日(日)
場所：那覇TOP-NOTE
沖縄県那覇市おもろまち４丁目17番30号サンエーメインプレス裏
開場17:00、開演18:00
前売り¥2,500 当日¥3,000 中学生以下¥1,000
※予約問い合わせ：オフィス太陽風 098-890-4106、TOP-NOTE 098-869-9077

★関西テレビレギュラー出演中　
「ノッテ・フェリーチェ」
毎週水曜日 深夜２時30分〜
８チャンネル　ショッピング＆情報番組

＊オフィシャルＨＰ：
http://uemaayano.com/

＊上間綾乃ブログ：
http://ayano.ti-da.net/

（取材: YANTY、編集: KUWA）
（取材協力: CAFE LU-MAY 「かふぇ るーめぃ」）