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TINGARA“かむながら”インタビュー

TINGARA“かむながら”インタビュー
県内テレビCMなどでお馴染みの“心安らぐ清らかなサウンド”を奏でる音楽ユニット・TINGARA(ティンガーラ)が、8枚目のフルアルバム『かむながら』をリリース。そのアルバムタイトル名にも表した深い意味を、ヴォーカル&キーボードの米盛つぐみさんにお話を伺いました。

——今作はどのようなテーマの作品でしょうか?

かむながらつぐみ:これまでのTINGARAですと、“沖縄”がキーワードになっていて、琉球音階のサウンドに沖縄の三線が鳴ってというスタイルだったんですね。ところが今回は沖縄を越えて日本やアジアといった、もっと広くとらえてアジアの精神世界を振り返るといったイメージを持っています。

——アジアを起点により広く地球とか、そういうくくりなのですね。
そして、この『かむながら』というタイトルについてですが、とても深いタイトル名を付けられましたね?


つぐみ:以前から、「仏教とか宗教の根源はどこからなのか」とか、また「なぜ人間は宗教心を持っているのか?」などに関心があったんです。インターネットとかで色々調べているうちに見つけた言葉だったんですね。

宗教というと、どうしても地域によって違ったり、民族間で違ったり、派閥のどこに属するのかとか人間的なしがらみがあったりとかするのもあるかと思うんですけど。

本来は誰もが根源部分で神という概念とか、宗教観というものを持っているのが人間ではないかなと思っていて。そういうところの根元的な尊さを見つめ直すというか。
風景写真_イシジマヒデオ撮影
——それが『かむながら』という題名に込められていると。

つぐみ:そういうことで、『かむながら』というタイトルは重々しく感じるかもしれませんが、本来の意味は“あるがままに”とか“神の思し召しのままに”という意味があるということなんですけども。

——簡単にいえば、“神の流れのままに”“神の意のままに”とか。

つぐみ:“神”+“ながら”、という意味ですね。
それが“あるがままに”という意味を持っているとしたら、人が素直に思いのままに生きることが出来たら、それが与えられた使命なのかな、と思って。
ということで、重いようで、実はとってもシンプルかもしれないなと思うんですよね。

2曲目にタイトルチューンの『かむながら』という曲があるんですけど、夜が明けて朝がはじまるという一番輝かしい時間帯のことを表現する曲になったんですが、どうしてもこの言葉を使いたかったんです。心豊かに普通に日常を送る。それ自体が“かむながら”かなと思うんですね。

——そんな究極のタイトル名がついた作品について、もう少し詳しくお聞かせください。

つぐみ:CD作品『かむながら』には自然音も入っている曲もあるんですが、すべてTINGARAメンバーのイシジマヒデオさんが録ったものです。
そのなかでも伊是名島の大山御嶽という地元の人しか知らないような鬱蒼とした御嶽があるんですけど、そこにTINGARAとゆかりのあるアーティストの名嘉睦稔さん(伊是名島出身)に何度か連れられて行ったことがあるらしく、そのような御縁もあって、何人か関係者でまだ陽が上がる前にそちらまで伺ってフィールドレコーディングしてきました。

——御嶽で録音とは、どういう音を録ったのですか?

つぐみつぐみ:その場所では、鳥のコノハゾクとアカショウビンが鳴いたりしているんですが、コノハゾクはまだ暗い時間帯にしか鳴かない鳥で、一方アカショウビンは明るくならないと鳴かないらしく、地元の人でさえ同時に鳴くことがあるなんて知られていない程、同時に鳴くのはほんのわずかな時間帯らしいんですね。その同時に鳴いている瞬間を録音しました。

——まるで、“月と太陽”のようですね。
そのほか、このアルバムの聴き所などをご紹介して頂きますか?


つぐみ:平原綾香さんが『JUPITER』をカバーして話題になりましたが、私たちはそれ以前に作っていたんですね。それが13曲目に収録した『JUPITER —水と光の奇跡—』なんです。
この曲には元々作曲者がいるので、今回歌詞のほうにとても力を入れた作品なんですね。

——どんな言葉を歌詞にして音楽に込めたのでしょう?

つぐみ:沖縄の言葉で“シディガフー”という言葉があるんですが、“シディ”が“孵化する”、“ガフー”が“果報”という意味で、それを合わせて“果報が孵化する”が“感謝”を表しているらしくて、その言葉が私はとても好きなんですね。

全体の中でもウチナーグチが出てくるのがこの一言だけなので、この言葉をひとつのキーワードにしようと思ったんです。

手書きメッセージ
この世に生かさせてもらっている感謝をどのように表現するか。
自分が健やかであること、人間の体は大半が水で出来ているので、いかに清らかな水であるか。自分の水を清めること。それこそが“感謝”ではないのかと。

一番最後にこの曲『JUPITER』を持ってきたのも、そういうところからきているんですね。ですのでぜひ歌詞にも注目してほしいなと思います。

——人間そのものにも水が流れて、自然にも循環しているこの星もまた水の惑星ですものね。

つぐみ:自然界でも水が澱むとその水は腐ってしまいますものね。
自分も生きていくのに、食べ物を摂り、水を頂き、空気を吸って生きていますけど、そこを意識して清めていく気持ちで自分の身体を作っていけたらいいなと思っています。

——それを、音楽で表現されていらっしゃる。
最後に読者のみなさんに一言メッセージをお願いします。


つぐみ:私もこのアルバムを作りながら、自分自身を振り返ってみたんですね。どうしても現代人というのは忙しくなりがちで、人との付き合いもとても広い範囲になってきているんじゃないかと思うんですけど、時には一人の時間に帰って、ゆったりと自分を見つめ直す。自分の人生を見つめてみる。そんな時間を作ってほしいな思います。そういうひとときに、この『かむながら』を聴いてもらえると嬉しいなと思います。


●site TINGARA:
http://www.tingara.com/

(取材: 桑村ヒロシ、風景写真: イシジマヒデオ、取材協力: SWICH)


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Posted by ryuQ編集室 at 2010年05月12日   09:00
Comments( 2 ) 沖縄の人々
この記事へのコメント
とても興味ぶかく読ませて&聴かせていただきました。

>心豊かに普通に日常を送る。それ自体が“かむながら”かなと思うんですね。

>いかに清らかな水であるか。自分の水を清めること。それこそが“感謝”ではないのかと。

うーん。つぐみさんらしい。

ではまたまいります。
アカショウビンって、なんだか親しみのわく名前です^^
Posted by び ん at 2010年05月20日 20:03
び ん さん>
どうもこんにちは。コメントありがとうございます。

今回のTINGARAはタイトルからして究極ですよね。
そこで、つぐみさんにじっくりとお話を伺ってみました。
するとやはり、このような深い意味がこめられているのだなと
あらためて再確認することができました。

サウンドはもちろんのこと、心のこもったものというのは
どのようなジャンルのものであっても、伝わり方が違ってくるもの
なんだなって、そう感じるこのごろです。

(ryuQ編集部・KUWA)
Posted by ryuQ編集室ryuQ編集室 at 2010年05月22日 07:01
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