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琉球舞踊家・高嶺久枝物語『琉球芸能の源流を探る』【第3話】

琉球舞踊家・高嶺久枝物語『琉球芸能の源流を探る』【第3話】
沖縄戦で焼失してしまった琉球開闢神アマミク(アマミキヨ)の神面を復元し、これから2月25日に正式な奉納舞いを披露される役を担った舞踊家・高嶺久枝さん。琉球の祖神をかたどったお面が鬼面であるということにも注目し、「私たちが一般的にイメージしている“鬼への先入観”を見直す機会になるのでは」など、インタビュー【第3話】ではまた興味深いお話を聞かせていただきました。

高嶺久枝——これまでは仮で、正式な奉納はこれからなのですね!

高嶺久枝:はい。12月に行われた国立劇場の舞台とはまた別で、正式な奉納儀式は2月25日を予定しています。

当初は11月頃に正式奉納を予定していたのですが、アマミキヨの子孫の直系にあたるミントングスクの関係者によると、その時期は「まだ降臨されてこない」とのことで、
「ではいつ頃に降りてこられるのですか?」と尋ねましたら、「それはまだわからない。あなたの舞台(12月20日の国立劇場おきなわ)から先にやってください」とおっしゃられました。

「ただし、このお面を被って舞うのなら、アマミキヨ神の本当のお墓があるからお参りしなさい」といわれ、一緒にそちらまで連れていってもらい、お線香をあげさせて頂きました。そこは非公開となっている場所でしたが、今回、先に舞わせて頂くことが無礼にならないように、ミントングスクに眠る琉球開闢の神様に通して頂けたことは大変ありがたいことで、そして私も安心できました。

一頃は、ミントングスクに何度も通って参拝しましたよ。どんなお許しが得られるのかはわかりませんでしたが、そうやってミントン(アマミキヨの直系の子孫)の次男の方とのやりとりがおこなわれてきました。

アマミキヨの神面をつけて舞う12/20の国立劇場おきなわの舞台をご覧になられたのは直系の長男の方でしたが、とても喜んでくださりました。
後日、次男の方からもお電話を頂いて、「正式奉納の日取りについては、天親田(アマウェーダ)の儀式の時がいいと思うけどどうか?」とのことで、最終的にはそれで決まりになりました。時間は、天親田の日の午後5時半から6時くらいになりそうです。

このお面を復元して喜ばれる方々と、子孫の方々の中には、神面が鬼の面であるということであまり表にしたくないという思いがある方もいると思うんです。
私たちには、鬼に対する先入観がありますよね。鬼=悪者だとか刷り込まれていますよね。でも単純にそうではなくてね。

わからなくて偏見視されないよう、口災いを持たれないようにと思って、ミントングスクの長男や次男の方々にお許しを得て私たちは新聞に広告を出す予定なんですね。一般にお披露目をしてみんなで拍手を送りたいと思っているんです。

沖縄は偶像を作らないというのが沖縄の信仰だと思うんですけど、この六十数年前には実際にあったという事の意味合いをみんなでつかむ為にも。

——鬼神も神様ですものね。それにしても、琉球開闢の神様の姿が鬼って、何なのでしょうね。

高嶺久枝:“鬼神”への先入観を見直す機会になるのではと思っています。
仮面研究家の千本木智美さんも国立劇場おきなわ公演のパンフレットに書かれていますが、“鬼=オン(隠)”というエネルギーで、菩薩との紙一重ともいえるとのこと。

たとえば我々も、愛する子を叱る時は(愛を持って)鬼になりますよね。
オニの詩
千本木さんも「世界のお面の研究をしてきて、そして、琉球のアマミキヨに辿り着いた」とのことですし、
また、仏師の仲宗根正廣さんも「もうこれ以上のものは無いよね」とおっしゃっていました。

——そういったように、琉球舞踊の世界の話だけでは留まらない大きな出来事になるのではないかと思っています。

高嶺久枝:琉球を開闢された祖神の面ですから、みんなの原点ですものね。またそうなると、みんな兄弟ともいえますよね。そういうことを分かり合えれば、戦争だって起こらないし、なので世の中の平和を願うことにもつながるんですね。

「それぞれ専門分野は違っても、最終的に目指すところは“平和”だよね」と語ってくださった先生もおられます。

私の琉舞はショーとして見せるものではないと思っているんですね。私も、ようやくここまで辿り着きましたが、これからまた新しいスタートがきれると思っています。
今まで迷いながら、周りの様子を伺いながらやっていた自分がそこに辿り着くと、あとは自分の中にある泉を掘っていくという作業が本当にできるんじゃないかなと思って。これらのことを通じて、皆さんとの想いの原点をひとつにすれば、さらにもっと輪が拡がって濃厚になってくることでしょう。

そして、知恵と心で発展してきた人間の可能性というのは、本当に凄いですよね。(つづく)

→【第1話】「技術(型)だけでなく“ウムイ(想い)=精神”も大切なのです」
→【第2話】「感動が生まれる瞬間とは、深いところで重なるものがあった時」
→【第3話】「知恵と心で発展していく人間の可能性とは凄いもの」
→【最終話】「アマミキヨはみんなの心の共有財産だと思うんです」


※プロフィールは高嶺久枝公式ブログにて:
→ http://takaminehisae.ti-da.net/


(取材: 桑村ヒロシ)


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Posted by ryuQ編集室 at 2010年02月02日   09:00
Comments( 0 ) 沖縄の人々
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