6.23「地球の心・平和の祈り ピアノコンサート」
沖縄で6月23日は慰霊の日。今年の慰霊の日の沖縄には、チベット仏教の高僧たち、真言宗豊山派の僧侶が全国から集い、聲明(しょうみょう)と太鼓の響き、そして世界的なピアニスト、ウォン・ウィン・ツァンによる鎮魂のピアノコンサートが浦添市てだこホール(18:30開演)にて開催されます。
6.23『地球の心・平和の祈り ピアノコンサート』とはどのようなコンサートになるなのか、2人の実行委員長の高江洲朝男さん(風の里代表)と稲葉耶季さん(法律家)、そして真言宗豊山派僧侶の吉田眞澄住職にお話を伺いました。
——6.23慰霊の日に開催される『地球の心・平和の祈り ピアノコンサート』とは?
実行委員会・高江洲朝男さん:6月23日はご存知の通り、慰霊の日です。沖縄戦では、自分たちの親兄弟をはじめ、20数万人の人々が亡くなりました。
私たちは、戦争を再び繰り返さない、という気持ちを常に確認しながら、64回の慰霊の日を迎えようとしているのですが、この64年前に限らず、500年前、1000年前、あるいは5000年前、人類史が始まって以来、部族抗争から地域紛争、大きな広域での戦争をくりかえしながら、人類の歴史が作られてきました。
この地球に流されていった血、苦悩、そういったものを供養してはじめて、地球の大地が綺麗になり、平和の種を蒔いたら花が咲いて、愛がこの地球に溢れてくるというふうになるのではないかと、『地球の心・平和の祈り ピアノコンサート』を行うことになりました。
そしてこの慰霊の日コンサートのため、40名もの実行委員が集まりました。みんなこの趣旨に賛同した一般市民のサラリーマンや主婦のみなさんたちです(宗教ではありません)。
——内容の濃い、三部構成となっているとのこと。
実行委員会・高江洲朝男さん:まず【第一部】では、沖縄の祈り、チベットの祈り(チベット僧による読経)、日本の祈り(真言宗豊山派の聲明)、からはじまります。そしてオリジナルの詩の朗読とピアノとの共演も予定しています。
【第二部】では、本土ではとても著名なピアニスト、ウォン・ウィン・ツァン(WONG WING TSAN)が来沖します。NHKのドキュメンタリー番組などの音楽(NHKスペシャル「家族の象徴」や「にっぽん紀行」、NHK教育「こころの時代」)などを手掛けていたりする方で、ステージではその場でメロディーをおろして奏でる即興演奏を披露します。その織りなす美しい旋律と心洗われるような音色は別名“瞑想のピアニスト”と称されているかたです。40分+40分のフルコンサートを予定しています。
そして【第三部】では、ボスニアの少女が書いた詩「もしも地雷がなかったら」にウォンさんが触発されて曲をつけた名曲が、朗読付きで披露される予定です。
——ではまず【第一部】の、沖縄の祈り、チベットの祈り、日本の祈り、についてもう少し詳しく伺いたいです。
実行委員会・高江洲朝男さん:まずは、全体で3分間の黙祷を捧げます。このとき、地元沖縄からカミンチュの方々がグイス(祝詞)をあげますが、マイクは通さず厳かに行います。そこでは集ったみなさんでの黙祷があくまでもメインになります。
実行委員会・稲葉耶季さん:そしてチベットの祈りですが、チベット仏教には五つの宗派があって、その中でも一番戒律の厳しい宗派がゲルク派といわれ、ダライラマ14世もゲルク派出身です。チベットの3大寺院でゲルク派はデプン寺になります。そのデプン寺の別院が日本に唯一広島にあり、そこに5名のチベット僧が滞在しているのですが、この期間に日本に滞在している僧侶が、デプン寺の中でも最も学識の高い博士号のある方ばかりが揃いに揃って来日されています。その5名のうち、4名の高僧の方々が沖縄に来られることになりました。これは凄いことですよ。
真言宗豊山派僧侶・吉田眞澄住職:そして真言宗豊山派ですが、平安時代に弘法大師空海が開いたのが真言宗で、いくつかの宗派に分かれており、豊山派が興されたのは鎌倉時代になります。
その真言宗豊山派の青年僧侶たちによる仏教青年会があるのですが、お寺の中だけでなくて、たくさん人がいるところに出かけていって、聲明の素晴らしさを伝えようと活動しており、平成5年には日本武道館に僧侶1000人による「千僧音曼陀羅」を行いました。聲明の内容は仏様を讃える節歌です。日本の民謡なども聲明からも影響を受けてきているところがあるのですよ。ぜひ共通している部分など、何かを感じてもらえたらと思います。
——今回、チベット仏教と、はじめてご一緒することになったそうですね。
真言宗豊山派僧侶・吉田眞澄住職:同じ経路から伝わって、インドからチベットを通ってきた仏教の流れがありますから、断片的に何かが繋がるのではないかと思っています。
実行委員会・稲葉耶季さん:チベット僧による読経は、バス(Bass)よりもさらにもっと低音で、地の底から湧き出るような凄い声というか、人間の声とは思えない聲明の祈り、それを聴いていると全身が震えるようなモノ凄さがある。それをチベットのお坊さんから直接聴くことができるというのが、今回、前代未聞の音楽会というか、奥深い催しになると思います。
——そして【第二部】、ピアニストのウォン・ウィン・ツアンが来沖され、フルコンサートがこの日に実現となりましたね。
実行委員会・稲葉耶季さん:ウォンさんのピアノ演奏は、人の心の琴線に触れるという珍しいピアニストですね。ピアノタッチも珠を転がすような、光が放たれてくるような音なのですが、それが天から降ってくる即興というのが大きいですね。天上からキャッチしたものをそのまま演奏できる。生まれてはじめて、そういうピアノと出逢いました。
ウォンさんは、癒しの音楽家とも言われていますが、生命エネルギーの根源に触れる音楽というところが見所ですね。
——この平和コンサートに向けて、皆さんへメッセージをお願いします。
実行委員会・稲葉耶季さん:ウォンさんのピアノをはじめ、チベットや真言宗の聲明という、命の本質から出たバイブレーションをみなさんに届けます。戦争というネガティブなもので終わらず、それこそ、これからの社会の転換期に新しい出発点となるような催しになると、私はそう想っています。
事務局・高江洲あやのさん:この日は、みんなと平和への想い、命の大切さ、自分自身が前向きになれるような勇気がもらえる、そういう時間が共有できるということは一生のうちにそうはない事だと思うので、来てみて良かったと思うこと請け合いです。
真言宗豊山派僧侶・吉田眞澄住職:我々僧侶も、世界平和と万民豊楽が究極の目標なので、今回のコンサートと目標がぴったり一致しています。そして私たちの唱える聲明を聴いて頂き、理屈よりも肌で感じとって頂けたらと思います。
※ウォン・ウィン・ツァン特別interviewはこちら
→ http://ryuqspecial.ti-da.net/e2516793.html
『地球の心・平和の祈り ピアノコンサート』
日時:2009年6月23日(火) 18:00開場/18:30開演
場所:浦添市てだこホール(大ホール)
料金:2000円(当日は+500円)
問い合わせ:風の里 TEL:098-947-1187
(取材: 桑村ヒロシ、取材協力: 地球の心・平和の祈りピアノコンサート実行委員会)
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2009年06月23日 09:00
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