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民謡歌手・當間清子インタビュー

當間清子
5年ぶりに新譜『待ちかんてぃ』のタイトルで2枚目のCDを発売した民謡歌手・當間清子さん。

ボランティア活動歴は約30年。老人ホームやデイケアなどで唄三線で元気を届けるほか、浦添にあるFM21では毎週金曜日に民謡番組のパーソナリティーや三線教室主宰と幅広い活動しています。

琉球列島を元気にするウチナー女(いなぐ)のキャッチフレーズ通り、とにかくいつも笑顔で明るく、お年寄から小さなお子さんにまで幅広いファンがいます。

民謡歌手・當間清子インタビュー新譜タイトル『待ちかんてぃ』は、まさにファンの皆さんへ、“長らくお待たせしました”といった気持ち、そのものが伝わってきます。

その新作品について、當間さんの三線教室の稽古場へおじゃましてお話しを伺ってきましたが、なんと、びっくりエピソード「民謡歌手になるとは思ってもいなかった」というデビュー秘話!まで飛び出しました。

そして今、どんな想いで日々唄三線と接しているかなど、自然体でインタビューにお応えいただきました。

民謡歌手・當間清子インタビュー——久し振りに、まさに「待ってましたー!」と、2ndアルバム『待ちかんてぃ』が発売となりましたね。おめでとうございます。

當間清子:まさか2枚目のCDまでも作れるようになるとは思いもしませんでした。ありがたいことで感謝しています。
そもそも私は、民謡歌手になることも考えたことは無かったんですよ。
それが思いがけない出会いから歌手になり、たくさんの皆さまのおかげで、こうして2枚目も発売させて頂きました。今回のCDには沖縄女性として、また日ごろ接してるお年寄りたちや孫たちにも伝えたい大事な想いを唄に納めました。
ぜひ多くの方に聴いて頂きたいと願っています。

——いきなり隠れエピソード話が飛び出ましたが! そもそも民謡歌手になるとは思ってもいなかったのですか?

當間清子:そうなんです。全然考えていませんでした。
思いがけない出会いがあり、民謡歌手になり、CDも出すことができ、活動しておりますが、ずっと思っていることは「人生は学び」「人生には偶然はない。すべて必然」と感謝しております。

——必然の出会いという、それはどんな出会いだったのですか?

當間清子:私が琉球民謡音楽協会のコンクールで、『下千鳥』でグランプリを受賞(平成15年)した時に、新聞に受賞者の名前が掲載されました。その新聞記事からグランプリでの歌唱力を見込んでと、有名な作詞家の先生が直接電話をくださいまして、「私の歌を歌ってみないか?」という御誘いがありました。

民謡歌手・當間清子インタビュー今だから笑えますが、当時の私はその有名な先生の名前を聞いても、どんなすばらしい方であるかもまだわからない頃で、子育てが忙しいので、ありがたいけれど、お金も無いし、主婦でボランティア活動も多く、とても無理ですとお断りをしたんです。

それでもまたしばらくしたら、再びお電話を頂きました。

その時もまだ、どんなに素晴らしい先生に声を掛けて頂いているかも分からず、「歌手になる気はありません」とお断りしました。

そしてしばらくして、この先生がどのような作品を作られ、素晴らしい唄を生み出しているかを知ることになり、「こんな凄い先生にお声を掛けて頂いていたんだ。とても嬉しくありがたいことだ。でも今はやはり子育てが忙しくゆとりが無い時期だからこれでいいんだ」と思っていたら、電話はもう来ないだろうハズのその先生から、三度目の電話が来ました。それはもうびっくりしました。

「何も心配しないでいい。私の作品を歌って欲しい」と、ありがたい御言葉でした。

すでに二度も御断りしてしまいましたが、こんなにも自分に期待して声を掛けてくださることに感謝してやってみよう「“出会いは必然”なんだ」と、ようやくお受けいたしまして、歌手への道に立つことになりました。

この先生との出会いが無ければ、今の歌手・當間清子はありません。

民謡歌手・當間清子インタビューまたこの先生だけで無く、CD制作にあたり、キャンパスレコードの備瀬社長さんにも深く感謝しています。私がボランティア活動に熱心であることを新聞報道を見てよく存じてくださっていました。こうした活動を気にとめてくださっていたのだそうです。それでこの作詞家の先生から備瀬社長さんにCD制作の相談をしたら「當間清子さんならいいよ」と、まだ私が備瀬社長さんお会いする前に快諾してくださっていたのです。
こうしたことすべてから「人生には偶然は無い。必然なんだ。」と感謝しています。

——當間さんは、以前に、ラジオ沖縄の人気番組で昼に放送していた頃の『民謡の花束』のパーソナリティーとしても活躍されていましたので、いよいよご自身の持ち歌を作ろうとCDデビューされていたのかと思っていました。

當間清子:とんでもないです。民謡歌手になることも、CDを出すことも考えたことは本当に無かったんです。

——出会いの素晴らしさですね! さて2枚目の新譜はどんな作品になっていますか?

當間清子:今回のCDには、日頃から考えていること、伝えたい大事な沖縄のこと、沖縄の女性として、母として、また、おばあちゃんとしての想いを込めました。

タイトル曲の『待ちかんてぃ』は、沖縄の旧暦の行事やその風景が伝わるように歌に込めています。沖縄の季節感、毎月どんなことを大事にしているか、沖縄の暮らしを子供たちにも伝えていきたいのです。
民謡歌手・當間清子インタビュー
FMの番組でもよく話していますが、私には3人の子供と7人の孫がいます。家族はとても大事です。

また沖縄にとって、そして沖縄女性として大事なことに“火ぬ神”があります。新作の『火ぬ神ガナシー』を通して、沖縄の昔から今も大事にしている気持ちを伝えていきたいのです。

また孫への想いというのは、自分の子供への愛情ともまた違う想いがありますから、“おばぁ”としての愛情を『オバーの子守歌』に。

そしてボランティア活動でご一緒するお年寄りたちと元気に楽しめるように、『歩けば頑丈』が出来ました。

そのほか『汗水節』、『なーしび節』など昔歌もありますから、バラエティー豊かな内容になっています。

——『歩けば頑丈』は行進曲のようなアレンジと弾むリズムで運動会にも使えそうですネ。

當間清子:そうなんです!老人クラブの運動会などで使いたいと思って出来たんですよ。

それに、たまたまこのCDはまだ発売前でしたが、ある病院のお祭りに呼ばれまして、皆さんに元気になってほしいという想いから、試しにこの『歩けば頑丈』を歌いましたら、車イスの方なども行進するようなしぐさや、手を振ってくれたり、ご家族の方々も笑顔になられた様子があり、「元気が出たよー」などと感想を頂きましてとっても嬉しかったです。それで「今年はこの歌で沖縄のお年寄りを元気にする」って決めました!

——また今回はいろんな方の声も録音されているようで、可愛いお子さんたちの声も聞こえますね。

當間清子:実は、私の3歳の孫と、三線教室の研究生5名が参加しています。
民謡歌手・當間清子インタビュー
——ほほえましい暖かなムードも伝わるのは、アットホームな録音だったからなんですね。
ところで病院や福祉施設などで唄三線でのボランティア活動も30年余りもされているそうですが、印象深い出来事もいくつも体験されているのだそうですね。


當間清子:いろんな出来事がありますが…。
あるとき、唄っていると車イスのかたが突然立ち上がりまして、カチャーシーみたいなしぐさをされ踊り出されました。私は喜んで下さっているなぁと、歌いながらその様子を見ていましたら、よく見るとその方は泣きながら踊っていました。感動してくださったのかしらと思っていました…。ところが後からびっくりでした。看護婦さんが「あの方は立つことさえ出来ない方だったんです。唄三線のおかげです。ありがとうございました」と。私もびっくりしましたがとても嬉しかったです。

こういうことがいくつもあるんです。唄三線の活動を通して、理屈じゃなく、素晴らしい力が人間にはあるんだ、人間って素晴らしい。感動や感激から力が湧き出てくるんですね。それが見えない力になっているんだと感じる瞬間がたくさんあるんです。だからボランティアを通して、実は私自身がたくさんのことを学び、感動を頂いているのです。PTA活動からボランティア活動に広がり、こんなに長く継続出来ているのもありがたい“必然”なのだと思っています。

——では最後に、當間さんからメッセージをどうぞ。

當間清子:人生は学び。毎年学ばされる課題が人にはあるんだと思います。私もまだまだ学びの途中です。歌と三線を通して、人と人が触れ合うこと、出会うことのすばらしさ、学び合いなど子供たちへもしっかりと伝えていきたいです。
そしてこの新譜に込めた想いのように、沖縄女性の心、かあちゃんの元気パワー全開でまいりたいと思います。
民謡歌手・當間清子インタビュー
おしらせ
3月8日は、さんばの日イベントに當間清子さんも出演されます。

3月8日は三板の日!!
『第9回 三板の日 〜三板講習会&民謡ライブ〜』

・出演(予定):
 登川誠仁、杉本信夫、田場盛信、具志堅京子、我如古より子、
 いつみグループ、當間清子、新垣世達・小百合、比嘉マチ子、
 よなは徹、松田一利
 
・時間:PM6:30開場、PM7:00開演
・場所:沖縄市民会館中ホール
・料金:会員¥1,800、一般¥2,000
・問い合わせ:日本三板協会事務局(キャンパス内)
       TEL098-932-3801

當間清子『待ちかんてぃ』
(2009年1月30日発売/20NCD-73/¥2,000(税込))

民謡歌手・當間清子インタビュー[収録曲]
1. 待ちゃかんてぃ
2. 火ぬ神ガナシー
3. オバーの子守唄
4. 汗水節
5. 嘉利吉の唄
6. なーしび節
7. 歌や肝から
8. 新港節
9. 花ぬ道(工工四付)
10. 歩けば頑丈

※問い合わせ・通販:キャンパスレコード
http://www.interq.or.jp/leo/campus/

(文+写真: 吉澤直美、編集: KUWA、取材協力: キャンパスレコード)


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Posted by ryuQ編集室 at 2009年02月24日   09:00
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