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Shing02「歪曲巡礼・沖縄」インタビュー【後編】

Shing02「歪曲巡礼・沖縄」インタビュー【後編】
Shing02「歪曲巡礼・沖縄」インタビュー【後編】やんばるの大自然のなかで言葉を紡いだShing02。オープニングの『Luv(sic) part1』のあと、『栞』では森の虫がShing02の指にとまった。「森の精霊たちにこの歌を捧げます」と伴奏なしで『旋風』。新旧の作品を交えながら『歪曲巡礼・沖縄』のクライマックスは東村の森深くに木霊した。全編ラブソングといわれるアルバム『歪曲』が単純な愛ではないのに、五感を超えてそれを感じることができる瞬間がある。

――今回、沖縄は初めてとのことでしたが、沖縄の客さんはいかがでしたか?

Shing02:自分としても、ステージに立つまではわからないというのがあるんですが、オープニングのカクマクシャカや、そのあとのDJ A-1のHIP HOPのゴリゴリのプレイに、客席から歓声が聞こえてきた時に“大丈夫だ”と思いましたね。

――ルーツが屋久島にあるということで、いつか沖縄にも来たかったとのことですね。

Shing02:そうですね。それが実現して本当に嬉しいですし、ラッキーだと思います。また、北部(東村高江)に行くことも楽しみにしていました。
Shing02「歪曲巡礼・沖縄」インタビュー【後編】
――東村高江といえば自然も豊かですし、また、米軍のヘリパット建設問題がある地域でのライブになりますね。

カクマクシャカ:僕からもShing02さんに質問なんですが、『パールハーバー』はあえて沖縄(那覇公演)で演った曲なんでしょうか?

Shing02:九州を廻った時に、俺とDJ(A-1)とドラマー(山口元輝)の男3人で“昔の曲をやろうか”となって今回演ったんだけど。

Shing02「歪曲巡礼・沖縄」インタビュー【後編】カクマクシャカ:それから、沖国大に米軍ヘリが落ちたことを忘れないようにとライブをやった時に、僕もMCで“一人が変われば、100人が変わる力があるんだ”と、Shing02さんの『400』のフレーズを語らせてもらったんですが、その『400』を今日ここで聴くことが出来てよかったです。

――またMCといえば、沖縄公演(桜坂セントラル)のアンコール曲『Luv(sic) part2』のMCも印象的でしたね。

Shing02:あの時は、「この沖縄の歴史と魂のために、ピースサインをあげてくれ」と言いました。
また、北海道へのツアーの時はちょうど洞爺湖サミットの時と重なり、アイヌの人たちによる宣言というかお祭りをしていましたね。
日本はそれだけ違うルーツがあったりと、いろいろ考えさせられました。

――みな同じのようで、独自性やアイデンティティーをつい忘れてしまいがちですよね。

Shing02:僕はアメリカには中学生の頃に行ったんですけど、
アメリカ人からみれば「お前はアジア人だ」って。チャイニーズもフィリピン人も、ほかにも日系アメリカ人、2世や3世と、ダイナミックにあって凄く面白いんですよ。

自分は「あぁそうか。自分はアジア人なんだ」っていうところから始まって、社会の中でどうやってコミュニケーションを作ったり、居場所を作ったり、友達を作ったり、仕事をしたりと、それは学校という社会からはじまって、自分という個を社会にアピールしていました。

――アピールの表現手段としては、音楽の中でもいろいろなジャンルがあったと思うんですが、なぜ、ラップを選んだのでしょう?

Shing02:それは偶然というか必然的に、大学進学の為にバークレーという街に移った時、インディペンデント(アンダーグラウンド)のHIP HOPがブームだったんですね。'93年頃でしたが、フリースタイル・ラップといって、即興でラップするのが流行始めた頃だったんですよ。

学校の寮でもどこでもみんなで輪を囲んでラップしていたり、ラジオでもフリースタイルのバトルがあったり、それに吸い込まれるように自分もやっていました。

みんなそれぞれ、カセットテープに吹き込んでそれにジャケットを作って手売りしたり、パーティーをやったりして楽しかったですね。

アメリカの人たちがラップで歌っているのは何もHIP HOPの事だけじゃないんですよ。生活の中からにじみ出てくるものだったり。

はじめのうちは英語だけのラップでやっていたんですが、そのうち先ほども言った“アイデンティティー”の話になりますけど、「自分は日本人であり、日本で集めてきた情報の引き出しを使って、日本語を使ったほうが人に伝わる」と思って日本語でリリックを書き始めたんです。
Shing02「歪曲巡礼・沖縄」インタビュー【後編】
――また、音楽での表現のほか、衝撃的だったのはWEBで公開されている『僕と核』についてなんですが。
難解な問題をまずはご自身が理解して、それをわかりやすく、それも短めにまとめるなんて凄い作業だなと。


Shing02:あれは命を削りましたね(それくらい大変な作業だった)。
自分が『STOP ROKKASHO』のプロジェクトに関わって、音楽の面でアピールしていくのがいいんですが、やはり音楽でメッセージを伝えようとしても、何の為にこれをやっているのか。自分がかつてそうであったように、解っていないままの人が大多数だなって感じたんですね。

例えば“放射線物質が危ないのはなぜだろう?”“原子力発電所がどうして危険なのか?”を自分で言えないのは歯がゆいじゃないですか。

もちろん、それが悪いのはわかっているけど、とりあえず今は安全にしているからいいじゃないか、みたいな暗黙の了解みたいなものが一般的にあって。

いっぽう、具体的なデータを持っている科学者は「いや、そうではない」と反論できるものを持っているわけですよね。ところが、そういう声がなかなかオモテで聞かれない。(まるで黙殺されている?)

(例えば、カルフォルニアは(日本と)同じ面積でも2つしか発電所が無いのに、いっぽう日本では50以上詰まっているのだから、どれだけ多いかということですよね。)

――最後に一言、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
Shing02:ライブの中でも言いましたけど、世の中は良いとか悪いとか、簡単には解決できない問題がたくさんあると思うんですよね。実際に生活するにはお金が必要だったり、お金では買えないものもたくさんありますし。

だから最終的には、自分の価値観に合ったものを見つけられるか。自分に正直に居続けられるか、というところだと思うんですよね。
ただ、社会の枠組とか、お金に流されて自分のやりたくないことをやったりというのは、長い目でみたら自分に良くないと思うので。どっかで我慢しているわけですよね。結局あとでやめたとしても、それまでの時間が無駄じゃないですか。

自分の時間を自分の生き甲斐をもって感じられる事についやすべきだと思うし、何かひとつ見つけたら、それを頑張ればいいし、仕事にも繋げられると思うんですよ。
現にそういうふうに頑張っている人たちが活躍しているわけですから、そういう良い手本を探して頑張るべきだと思うんですよ。

世の中の風潮というか、テレビニュースをみていても悪いニュースばかりですよね。TOPニュースのトピックは災難、事故、犯罪ばかりですよね。もうちょっとポジティブにやっていけたらいいと思いますね。

Shing02インタビュー【前編】をもう一度読む

※ライブスケジュールなど、Shing02公式HPはコチラ→
※Shing02の東京ライブ音源が『iTunes STORE』にて8/13より発売中→

(文+写真: 桑村ヒロシ、取材協力: MARY JOY RECORDINGS、覚醒レコード、416)



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Posted by ryuQ編集室 at 2008年08月16日   09:00
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