2008年07月17日
世界初飼育中!「赤ちゃんマンタ」(祝・誕生1か月!)

海の魅力を存分に体験でき、沖縄観光はもちろん、地元でも人気の「沖縄美ら海水族館」。さまざまな世界一、世界初を誇る水族館としても知られますが、ちょうど1カ月前の6月17日に、世界が注目する嬉しいニュースがありました。昨年に続き、<黒潮の海>の大水槽内で飼育しているオニイトマキエイ(通称マンタ)が出産に成功し、マンタの赤ちゃんが元気に誕生となりました。水族館の飼育下でマンタが交尾し、出産、赤ちゃん誕生となるのは世界で2例目の快挙。
(※昨年、同水族館にて世界初の1例目が誕生したが、わずか5日(正確には4日と10H)で残念ながら死亡した)
世界初の赤ちゃんマンタ飼育に挑戦中の沖縄美ら海水族館に現在の成長の様子を伺いに行ってきました。
——マンタの赤ちゃんが誕生して、1ヶ月になりますね。おめでとうございます!現在の様子はいかがですか?
沖縄美ら海水族館 魚類課 黒潮系係・仲里美之係長:今のところ順調で元気に泳いでおります。仔マンタの性別は雄で、交尾から366日目に誕生しました。前回(昨年)の経験を踏まえて、今回は生まれてすぐに黒潮の海の水槽から、専用に準備した<海上生簀>に移し、細心の注意をしながら長期飼育となるように、毎日観察し、飼育に取り組んでいます。
——マンタというのはまだまだ解らないことが多い生物だそうですが、生まれたばかりの赤ちゃんマンタの大きさが182cm(体盤幅)もあったそうで、大きいなぁという印象ですが、それからさらに大きく成長していますか?
仲里美之係長:生まれるまで、マンタの赤ちゃんはお母さんマンタのお腹の中で、胸鰭が曲った状態で入っていたと思われまして、その曲って入っていた胸鰭の部分が、徐々に伸びきってきて体が少しずつ大きくなって見えてきているような状態だと思います。

——前回の経験を踏まえて、今回飼育で注意されているポイントは?
仲里美之係長:前回は、様子をみながら専用の施設に移動させようとしている間に、水槽の壁にぶつかったり、大きなジンベエザメにぶつかったりと、傷が出来てしまいました。
また、天候不良で移動が出来ない日もあったりとタイミングを延ばしてしまい、やっと移動させたものの生まれて約5日で死亡してしまい大変残念でした。
そこで同じ結果にはならないようにと、今回はまず赤ちゃんマンタが水槽内で怪我や傷などができないうちに、即、飼育専用の海上生簀へ移動させることを第一に考えて移動を実施。生まれて2時間後には移動を完了しました。
たまたま早朝出産(午前6時27分)でしたので、夜が明けた段階で移動作業を開始して午前8時58分には生簀へ搬入でき、まもなく元気に泳ぐ姿をみてホッとしました。
やはり何より、良い飼育環境を整えることが大事だと考えております。
——赤ちゃんマンタの飼育は世界初の試みとのことで、知られざる生態、謎が多いそうですが、赤ちゃんマンタの様子、食欲、食事内容はどんな状況ですか?

仲里美之係長:いつから食べるのか、また何を食べるか、まったくわからないわけです。
模索状態ながら、おそらく食べるだろうというものを、生簀に少しずつ撒きながらどのような反応をするか、餌を食べようとするような行動などがみられるかなど観察してきまして、生まれて10日目に初めて餌を食べたことが確認できました。
エサを食べてくれたときはもう嬉しかったです。それには感動しました。
——仔マンタのエサは何を?
仲里美之係長:これも何を食べるかわからない中で、釣りのエサなどでも一般にも知られているナンキョクオキアミをミンチにしたものを与えたところ、食べてくれました。
——それは大人のマンタも同じように食べるものですか?
仲里美之係長:そうです。黒潮の海の大水槽で飼育しているマンタも食べています。
ちなみに母親のマンタは1日に同じものなどを8.5kgから9kgぐらい食べています。
——たくさんの量を大人のマンタは食べているのですね!
仲里美之係長:昨年はわずか5日で亡くなってしまいましたので、このことを踏まえて今回はいろいろ準備をし、事前に計画を立てました。世界中のどこの水族館にも、交尾、出産、誕生、飼育の事例は無く、すべてが初ですので、自分たちで考えていることで大丈夫か、ひとつひとつを確認しながら進めています。
海上生簀の飼育環境整備、ちゃんと泳ぐ状況であるか、落ち着いて餌を食べられる環境づくりなど、デリケートに注意を払っています。ようやくエサ食べるようになったことで、長期飼育に向けていよいよという思いです。
——世界中からマンタの赤ちゃん飼育は注目されているところと思いますが、一般公開などもまだまだでしょうか?
仲里美之係長:まだまだ未定ではありますが、どうぞ温かく見守ってください。
——これからも順調な成長飼育となるように祈っています。ありがとうございました。

現在、同水族館の<黒潮の海>の大水槽内ではこの赤ちゃんマンタの父マンタと母マンタが元気に泳いでいます。父マンタはヒレの片方の先が少し切れて短くなっている姿に特徴があります(飼育年数は16年経過中)。母マンタは、一番大きな姿のマンタです。
また人気のジンベエザメや、たくさんの魚もあらためて夏休みにご家族で見学されてはいかがでしょうか。
自然光をとりいれている館内の水槽では、その日その時間毎に様々な表情の海に出会えます。
特に夏場の強い日差しで水槽内はとりわけ明るくきらめき、美しい海の豊潤な様子も鑑賞できるチャンスです。
ギネス登録で有名となった世界一の大きさを誇る巨大アクリルパネルの大水槽内は、ゆたかな海、神秘の世界を間近に体感できます。
毎日11:30の水槽解説をはじめ、13:30にはダイバーが大水槽内に入り水中カメラで魚たちを撮影しながら、映像にあわせたプログラム、15:00と17:00には人気のジンベエザメが垂直に食事する様子を見ることのできる給餌解説行われていますので、時間に合わせて新たに水族館の魅力を満喫されてみてはいかがでしょう。
夏休みに合わせて特別なイベント企画もたくさんありますので、HPなど活用しておでかけください。
●沖縄美ら海水族館:
住所: 国頭郡本部町字石川424
TEL: 0980-48-3748
FAX: 0980-48-4444
http://www.kaiyouhaku.com/
(文+写真: 吉澤直美、編集: KUWA、取材協力: 沖縄美ら海水族館)
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