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神谷幸一インタビュー[前編]

神谷幸一インタビュー[前編]
沖縄民謡界を代表する重鎮の一人・神谷幸一が5年ぶりに新譜を発売した。
現在、琉球国民謡協会副会長であり、多くの門下生を指導する民謡界のリーダー的存在である。
また、コザで老舗の人気民謡酒場「花ぬ島」の大スターであり、民謡界きっての色男は男女を問わずに人気で、男の粋な色香で魅了する。
沖縄民謡ファンであるならば、情け歌なら神谷幸一の唄を知らないはずがない。神谷幸一は沖縄を代表する名唄者。
新譜発売記念・神谷幸一特別インタビュー!前後編でたっぷり神谷幸一の想い・そして魅力をご紹介します。

——待望の新譜発売おめでとうございます。何年ぶりの新譜になりますか?

神谷幸一インタビュー[前編]神谷幸一:5年ぶり6枚目の新譜です。これまでも割と5年単位で出してきました。
今回は自分の生まれ島・津堅島のお年寄りたちから聞いた島の大事な話や、それぞれが自分の家族の絆を感じてもらえるものや恋の歌、また工工四つきのボーナストラックも入れましたので、じっくりと聴いて欲しいと思っています。

——いろんなエピソードがありそうですね。

神谷幸一:まず1曲目に収録している「黄金船(くがにぶね)」ですが、私は昼間は、津堅島と平敷屋港(へしきやこう/沖縄本島)を結ぶ、神谷観光の仕事をしています。その航路で使用している船が「くがに丸」というのです。

毎日船を運航していますかから、「♪かりゆしぬ船や糸の上からー」というように、波静かに、まるで糸をぴんと張ったような穏やかな海を安全に航海してくださいという願いを込めて作りました。

——なるほど!そして夜はコザで民謡酒場「花ぬ島」のステージを毎晩勤めている神谷さんですが、沖縄の放送業界の重鎮であるパーソナリティの上原直彦さんとの親交は40年余りだそうですね。上原さんは民謡の歌詞をたくさんいろんな方に書かれていますが、今回上原直彦さんの作詞の歌がこの新譜にもいくつか収録されていますね。

神谷幸一:あるとき彼が「花ぬ島」にきて、カウンターで何やらうつむいた感じで、考え事をしているのか文字を書いていた様子でした。その翌日、電話が来ましてね、昨日カウンターで「歌詞が出来たよ」と。

神谷兄弟は船の仕事をしていますから、津堅島や船の話に恋の話を織り交ぜて真心の恋なら渡すけど遊びの恋なら船を渡さないと「津堅恋女童」に、ロマンチストな歌詞を書いてくれました。そのほか「いそさ島うた」「恋流り」ボーナストラックの「浮名ぶし」「命身ぶし」「あひゃんがれ」も上原直彦さんの作詞作品です。

——上原直彦さんはたくさんの作詞をされているんですね。長いおつきあいあってこそのお二人の仲だから出来上がる作品はこれまでもとても人気があり、新しい歌にもまたファンが増えますね。
ところで今回は津堅島の神谷さんが“伊平屋島の歌”を収録されていますね。


神谷幸一:この歌には御縁を感じています。実は私の娘の婿の父親が伊平屋島の方なんですよ。
また私の嫁、つまり妻の親も伊平屋なんですね。なので、やはりつながる御縁があってこそ出来た歌だと思っています。昨年は伊平屋島の我喜屋公民館落成祝いに歌いに行ったりと、伊平屋島とも繋がっているんですよ。
神谷幸一インタビュー[前編]
神谷幸一:家族の縁つづき話はまだあります。「赤糸節」でも自分の子どもが縁あって結婚して、子供を産み育て自分にとっては初孫が出来るわけです。どんなにか素晴らしい事であるか。「黄金初孫」と嬉しさを表わし、その孫がまた大きく成長して大人になりまた家族を作って、根元から家族が栄えてゆくことの嬉しさを喜び願う歌も出来上がりました。

——家族の絆をとても愛情深く育てる神谷さんの真心溢れる作品ですね。
ところで、琉球舞踊でも広く馴染みのある「取納奉行」も収録されていますが、歌詞の一部がこれまでのものと少し違うのですね?


神谷幸一:津堅島でいろいろお年寄りたちから聞いた歌詞を入れました。「昔はこういう風にも歌っていた」ということを聞きまして、そういうことは大事だと思い、今回その歌詞を入れてみたのです。そういう大切なものを残しておきたかったんです。

神谷幸一インタビュー[前編]例えばこれまでは“津堅神村祝女殿内”と歌われている歌詞をこのCDでは“神村”の部分を“神谷村”としています。これは昔津堅島には神谷村があったと島の長老たちから教えてもらいましたので、それは大事な歴史ですからその歌詞を歌い残すため収録しました。

——神谷さんの“神谷”は、その村の名前が由来なのでしょうか?

神谷幸一:いいえ、これはたまたま同じ名前なのですが実は違うんですよ。私の本家(むーとぅーやー)は、那覇市の首里なんです。
今も年に一度は首里の本家に神拝(かみうがみ)にも行ってウートートーしていますよ。かつてご先祖が首里から津堅島に渡って来たんです。島に来てから5代目の神谷になります。
神谷幸一インタビュー[前編]——そうでしたか。さて沖縄では各地にある名曲「ナークニー」が、津堅の神谷さんならではの「勝連ナークニー」で収録されていますね。

神谷幸一:昔、津堅島は勝連町だったんです。今は“うるま市”となってしまいましたが、勝連町の時は平敷屋、津堅、浜、比嘉、内間、平安名、南風原、7つの字で勝連町でした。

この7つの字(あざ)で歌を作って後々にこの土地の歴史も感じてもらえるようにと、残したい歌として作りました。
いろんなナークニーが各地にありますが、これから多くの人に勝蓮ナークニーもきいてもらいたい残したい曲です。

神谷幸一:また今回はお店のお客さんの87歳のおばあちゃんが作ってくれた歌詞で「姑ぬ家ぬ門口」、「親ぬ思い」に曲をつけて収録してあります。

——お店のお客さんの歌詞でとは、おばあちゃんにも嬉しい共作になりましたね!
それからこのCDにはボーナストラックに人気の3曲が工工四付きであります。これは大サービスですね。


神谷幸一:教材用に稽古用に三線一本で収録したものですのでシンプルな録音状態のまま多くの方にも三線で親しんでもらえればと。沖縄ではこの3曲は[恋の3部作]ともいわれていますので県外のかたにもぜひ楽しんでもらえれば嬉しいです。
神谷幸一インタビュー[前編]
インタビュー後編では神谷幸一さんが民謡歌手になるまで、そして今の沖縄の民謡界についてなど、民謡どころコザの話などいろいろ伺っています。後編もお楽しみに。

(文: 吉澤直美、編集+写真: 桑村ヒロシ
 取材協力: 有限会社キャンパス、島唄スナック「花ぬ島」)

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Posted by ryuQ編集室 at 2008年02月28日   09:00
Comments( 0 ) 沖縄の人々
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