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松田弘一・特別インタビュー1[毛遊び]編

松田弘一
沖縄民謡界の重鎮であり、そして「ザ・フェーレー」の親分としても知られる民謡歌手・松田弘一氏が、還暦となった節目の2007年に新譜『三線三昧』を9月26日にリリース。

オリジナルの新曲も収録した注目の新譜には、松田流ともいわれる独特な特徴ある指サバキで奏でる三線と味のある歌に、沖縄ならではの「毛遊び(もうあしび)」の世界が詰まっています。その魅力を松田弘一さんの生の言葉で語って頂きました。
松田弘一・特別インタビュー1[毛遊び]編
——還暦記念CD発売おめでとうございます。
三線を始めたキッカケから振り返って教えていただけますか?


松田弘一・特別インタビュー1[毛遊び]編松田弘一:父親が沖縄の古典三線の先生をしていましたから、自宅に稽古場があったわけです。小さい頃からその音が気になって盗み聴きし、三線もその盗み聞きを自分で真似して弾き始めました。
でも、父親には教わったことは無いですね。

私の住んでいる北谷は、ずっと昔から毛遊びが盛んなところだったので、子どもながらに、こっそり出かけては隠れて盗み聴きをして、三線名手の真似をして練習していましたよ。

(※毛遊び(もうあしび)=沖縄の若い男女の娯楽の1つとして村の原っぱなどで男女が集まり、三線歌を歌って遊ぶなどした今でいう合コンにも似た男女の出会いの場でもあった。若い男女が恋人となる人を見つけるような交流の場であり、恋の話しは尽きない。歌や三線も競い合うなどもあり、三線名手が育った重要な場でもあった)

——そのころ有名だった三線弾きのお名前を覚えていますか?

松田弘一:たくさんいた中でも、与那覇せいじゅう(通称:やまーやっちー)さんという有名な三線ひちゃーがいましたね。

私が子どもの頃、昭和35年頃は沖縄では親子ラジオというのが全盛時代でしたから、ラジオから聞こえてくる民謡にかじりついてよく聴いていました。昔は録音機なんて無いですから、とにかく三線が上手になりたいから、聴いては真似て自分流に弾こうと練習したもんです。

——今回の新譜『三線三昧』でもオリジナル曲を作られたり、これまでにも数々の曲を作っている松田さんですが、ユニークな「ゴルフ節」など松田さんならではの個性ある曲を作るのもとても有名ですが、最初に作った曲といいますと?

松田弘一:「北谷村」ですね。この曲は21歳の時に作りました。
今も謝苅エイサーなどでこの歌は使われていますが、謝苅エイサーのために作ったのが「北谷村」の歌が生まれた理由です。

当時、全島エイサーに「謝苅エイサー」が出場することになって、その入場曲やテーマ曲となるような1曲が欲しいと思って作ったんです。
私自身が北谷謝苅生まれ育ち、謝苅地区への思い入れもありました。その時にはすでに謝苅エイサーに入っていましたしね。

——ところで、松田さんというと「毛遊び歌」というイメージがありますし毛遊びが似合う方ですよね。
“毛遊び歌なら松田弘一さん”といわれるぐらいに、昔ながらの粋な三線の世界観が大きな魅力ともなっているかと思いますが、本物の毛遊びの盛んな頃をぎりぎり体験できた最後の世代にもなるかと思います。
若い世代には、憧れの語り継がれている本物の毛遊びの魅力、その世界ははどんな感じだったんでしょうか?


松田弘一:北谷では、毛遊びをする場所は大体決まっていましたよ。それぞれポイントがあってどこへ行けばやっているとわかっていました。
うちの親父なんかは、あちこちの毛遊びを歩いてまわって楽しんでいたと聞いています。

例えば「北谷トンネル」も毛遊び場所の1つだったんです。
まぁ、あそこなら雨が降ってきても出来るし、エコーも利いていて歌うのも遊ぶにもなかなかよかったのでね。
若い男女が集っているわけですから、色恋話しもあれば異性の取り合いもありますし、三線の腕も競い合いました。

血気盛んな青年たちが集うのが毛遊びですから、うちなーぐちで「ぶさー」といって腕っぷしの強い者たちが、舞方(めーかた)のような空手型をみせて脅すようなことがあったり、ケンカのような取っ組み合いまでになったりと、青春話しはたくさんありました。

カップルなると、次々手を取り合ってその場からいなくなって仲良くなったようです。

でも、三線弾きは最後まで歌わないといけないから、なかなか好きな女性をつかまえられなくて悔しい思いもしたわけです。

親父の話ですが、たまたま隣に座った女性がいいなーと思えば、その女性の着物の裾を踏みつけて立てないようにして、三線を弾き歌い終わってからその彼女の手を取ってデートに連れ出したりもしたそうですよ。

そんな毛遊びも、昔は20歳で卒業でした。

毛遊びして朝帰りすると、昔は畑仕事の早起きの人とすれ違うこともあったので、それを考えて朝遊んで帰ってきたことがバレないように、親父なんかは背中に隠せるたけの短い三線を持っていったとか。
親父の世代たちの話しがまた面白いですね。
松田弘一・特別インタビュー1[毛遊び]編
——そんな毛遊び唄とその魅力が収録された新譜『三線三昧』の聴きどころをどうぞ教えてください

松田弘一:若いときから歌三線をずっとやってきて 今ちょうどいい時期が来たと思い、残してゆきたい味のある昔歌、「毛遊び歌」を録音しました。昔歌に沖縄三線の原点があります。
せっかくの機会ですので記念に東京にも公演に行くことになっていますので、是非この「毛遊び」の魅力をいっしょに体感してもらえたらと思っています。
松田弘一・特別インタビュー1[毛遊び]編
明日掲載のインタビュー後編では、民謡のど自慢大会で凌ぎを削ってきた頃の話や、民謡酒場全盛期の頃の話題、巨匠たちに学んだり共演していた頃のエピソード話まで解禁予定です。
どうぞ、お楽しみに!

松田弘一・特別インタビュー1[毛遊び]編※新譜情報・ライブ情報は公式サイトへ!
http://www.respect-record.co.jp/

※松田弘一さんの新譜『三線三昧』は9月26日発売!
 \2,500円(税込)/リスペクトレコード(RES-126)

(取材協力:リスペクトレコード、北谷町謝苅公民館)

文:吉澤直美、編集+撮影:KUWA

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Posted by ryuQ編集室 at 2007年09月25日   00:00
Comments( 0 ) 沖縄の人々
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