2007年09月10日
小浜司の『ryuQ100歌』9月号

沖縄のエイサーは旧暦の七月十三日〜十五日、いわゆる旧盆のウンケー(お迎え)中日、ウークイ(お送り)の三日間の奉納エイサーや道ジュネ(巡回)が、純で素朴で民俗的である。昨今、エイサーの芸能化が進み、共同体の儀式としてのエイサーから、観光のための、経済効果としてのエイサーへとなりつつある。
それの良し悪しや功罪はここでは問わない。ここに三枚のシングルレコードがある。「七月エイサー」と、タイトルされている。三十年以上前の音源である。かつては単にエイサーではなく、七月エイサーといっていたことがわかる。音楽鑑賞の商品としてのレコード音源であり、そのダイナミックな演舞はもちろん、地謡の魅力も楽しみの一つとして鑑賞していたといえる。
『七月エイサー/玉城安定民謡研究所』(マルフクレコードKF-55)
一枚目の故玉城安定率いる玉城安定民謡研究所の演じるエイサー。わずか四分程度のエイサーだが、雰囲気はよく出ていて、演奏が始まったとたん身を乗り出して踊りたくなるような演奏だ。長年七月エイサーという行事にたずさわり、踊り手のリズムも呼吸も知り尽くしている地用はコンパクトにまとめられていても十分楽しめる。曲は「仲順節」「久高まんじゅう主節」「スーリ東」「唐船どーい」の四曲。
『七月エイサー/山内昌徳民謡グループ』(マルタカレコードTES-1011)
二枚目は山内昌徳民謡グループ。かつてはその甘い美声で女性を虜にした山内昌徳の四十年前の音源。A面B面の二面に渡っての七月エイサー。A面に「仲順節」「久高まんじゅう主節」「ピーラルラー節」。B面に「トゥタンカニ」「スーリ東」「唐船ドーイ」コザ(沖縄市)のエイサーの芸能化はここらあたりから顕著となっていったのではないか。
『七月エイサー/嘉手苅林昌、知念禧 ゴモン合唱団』(ゴモンレコードGS-47)
三枚目の七月エイサーは大太鼓の音をより強調した、現代風に近い雰囲気に仕上げている。知念禧の地謡ヴォーカルで始まり、何だか地方の雰囲気を十分に醸し出しているところに嘉手苅林昌の「サフエン節」にバトンタッチ。踊りというより唄に引きずり込まれるような感じだが、唄と伴奏とのバランスがいまいち地方的、というところも良しとしよう。
かつてはこれらのレコードを手本としてエイサーの奏法を必死になって練習していた。

筆者プロフィール:小浜 司(こはま つかさ)
沖縄県国頭郡本部町出身。幼少期を那覇市で過ごし、中学以降宜野湾市に遊ぶ。大学卒業後ヤマトへ。季節工などの底辺労働に従事しながら、アメリカ、東南アジア、中国、アラブの国々を旅する。沖縄に帰り、クリーニング屋の経営をしながら大城美佐子や嘉手苅林昌のリサイタルなどをプロデュース。「風狂歌人」(嘉手苅林昌)や「絹糸声」(大城美佐子)など沖縄音楽CDを多数製作。2002年、国際通りに島唄カフェまるみかなーを開く。2004年沖縄音楽デジタル販売協同組合に参画しインターネット三線教室を始める。2006年、拠点を壺宮通り(那覇市寄宮)移し、島唄カフェいーやーぐゎーを開店。沖縄音楽の音源や映像の楽しめる店として好評を博している。
島唄カフェいーやーぐゎーHP:http://www.ryucom.ne.jp/users/iyagwa/
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この記事へのコメント
レコードの音源ではないのですがマルテルから出ていたカセットテープ「歌劇・仲順流れ/七月エイサー」が私の一番です。
「仲順流れ」は、大主 登川誠仁、嫡子 知名定男、次男 比嘉盛保、三男 亀谷朝仁、三男の妻 大城愛子、地謡 照屋林山、照屋林助、瀬良垣苗子、ナレーション 島正太郎と言う豪華出演者が「仲順流れ」のメロディーに乗せて演ずる歌劇は沖縄文化の奥深さを感じさせてくれます。
「七月エイサー」は小浜守栄グループと園田青年団の共演で、園田青年会のルーツともいえる演奏は旧盆の道ジュネーを見ているような錯覚を起こす名盤です。
「仲順流れ」は、大主 登川誠仁、嫡子 知名定男、次男 比嘉盛保、三男 亀谷朝仁、三男の妻 大城愛子、地謡 照屋林山、照屋林助、瀬良垣苗子、ナレーション 島正太郎と言う豪華出演者が「仲順流れ」のメロディーに乗せて演ずる歌劇は沖縄文化の奥深さを感じさせてくれます。
「七月エイサー」は小浜守栄グループと園田青年団の共演で、園田青年会のルーツともいえる演奏は旧盆の道ジュネーを見ているような錯覚を起こす名盤です。
Posted by 和田 at 2007年09月10日 10:55
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