2007年05月11日
『島や宝2007』コンサート&シンポジウム【後編】

今回の『島や宝2007』は、コンサートのほかシンポジウムも同日に組み込まれました。
スイスやドイツで誕生し、日本や沖縄県内でも活用されている『近自然河川工法』の第一人者・福留脩文さんが、写真のスライドを使いながら、自然を守るために自然を壊さない新しい開発工法もあるという実例の紹介があり、工事された河川にさらに元に戻す工事をして、魚や自然を呼び戻すことができるという方法があると。
そしてこの沖縄県内(大保川)でも、さっそく取り組みが始まっているという朗報がありました。

ただし、この『近自然河川工法』は川には有効であっても、「海に対しては難しい」という言葉に、重大な意味を確認しました。
海の自然の環境は、加工したり工事をしたら、その近代技術を結集したとしても、もう生き返らせることも元通りにも戻せないのだそうです。

環境ジャーナリストの寺田麗子さん、福留脩文さん、上勢頭同子さんをステージに。
そして客席側には、宮本亜門さんも自らマイクを持って司会の泉&やよいさんと共に入り、会場の参加者との大切なゆんたくもありました。
中でも関心を集めたのは、
浦添市の米軍基地(キャンプキンザー)前の干潟の工事計画について現状が話され、自然破壊への危機がとりあげられたことです。
寺田さんは「まだ間に合うのです。まだ間に合うから、ぜひ話し合いませんか」と問いかけ、
宮本亜門さんも「大切なことはお互いの輪を繋げていくことではないでしょうか。家族や友達とも、もっとつながっていきませんか。合い言葉は“島や宝”です」と優しく語りかけました。

そして、司会の泉&やよいさんは、沖縄出身の詩人・山之口貘の詩から『沖縄よどこへ行く』を朗読しました。その一部を抜粋してご紹介します。
『沖縄よどこへ行く』
(前略)
いまでは琉球とはその名ばかりのように
むかしの姿はひとつとしてとめるところもなく
島には島とおなじくらいの
舗装道路が這っているという
その舗装道路を歩いて
琉球よ
沖縄よこんどはどこへ行くというのだ
— 沖縄はどうなっていくのでしょう —
古謝美佐子さんは三線1丁でステージに立ち、『県道節』を歌い話しました。
「私の住んでいる嘉手納のニュースをご存じですか。 新聞にも出ています。バイパス問題に胸を痛めています。国は町民のことを考えているのでしょうか?ずっと沖縄に住みたいのです。米軍基地で小さな範囲に住んでいる嘉手納の町に、今また道路を作ろうとしています。住んでいる場所が分断されようとしています。だから、かつて県道をつくった時にうまれた唄『県道節』を歌いました」と
その想いはとても力強く客席に送られました。古謝さんは続けて話しました。
「ずっと沖縄に住みたいよね。孫達に沖縄を残したいよねー」と
そして『童神』を歌いました。
「♪天からの恵みー」
“そう。沖縄のすべては、天からの恵みもの。誰のものでもなく、次代へ残し継承するべきものでしたね?”
想いが募ります。
最後は会場の客席も出演者も一緒に全員で『島人の宝』を歌い終了しました。誰もが心にたくさんのことを感じた時間でした。
そして、このひとときを共有したお客さんの何人かに感想を聞いてみると、

西原町から一人で参加した女性は、
「人工ビーチが増えています、西原にもできました。そうして開発が続くと、いつの日か自然の海がなくなるのではと気がかりなんです」とロビーに展示された干潟開発について考えるパネルを真剣にみていました。
南城市から参加した女性は、
「福留さんの話がとても印象に残りました。河川は自然を戻すことができる工法があると知り勉強になりました。でも海だけはどんな技術をもっても元に戻すことが難しいということも知り、とても重要に受け止めました。
そして竹富島のわらべ唄の紹介もよかったです。唄が人と人、世代も繋ぎ人間関係を育み伝統も伝えられるし、暮らしの中にわらべ唄は生きているのが嬉しく思いました」
また恩納村から参加した女性は、
「普段ダイビングで海の仕事をしているので海や自然について関心を持って参加しました。福留さんの話はとても勉強になりました。今何かしなくては、何ができるか考えてみようと思いました」

昨年に続き、参加した那覇市の女性は、
「前回に比べ人と自然の関わりについて、たとえば生活の唄や祈りの唄など自然を感じる唄や言葉もしっかり感じ取ることができてよかったです。現実には何ができるか考えたいと思いました」
南城市から参加した男性は、
「これだけの人が関心を持って集まったことはすごい嬉しい。その思いが力になると思います。意義有る開催と内容をこれからまたどうやってつなげていくかが大事だとおもいました」
と、たくさんの感想を寄せてくださいました。

『島や宝2007』から受け取り、そして伝えたいこと、
山も海も川も空も、島の自然と私たちの暮らしはつながっています。
私たちはどんな島を子供達に残したいのだろう。どんな景色をみせてあげたいだろう。
「まだ間に合う、今ならまだ間に合う」
だから、一人一人が考えて欲しい“島の明日の未来のために”
■『島や宝』記事(1):
http://ryuqspecial.ti-da.net/e1549891.html
■『島や宝』記事(2):
http://ryuqspecial.ti-da.net/e1552120.html
タグ :島や宝
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